「家庭学習をさせたほうがいいのは分かっているけど、具体的に何をやらせればいいの?」
「宿題以外に、家でどんな勉強をさせるのが効果的なんだろう?」
そんな悩みを抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。
私は小学校の教員として、のべ数百人の子どもたちと保護者の方に接してきました。教員の時は、子供が学習でつまずいているポイントは分かっても、フォローできる時間がなかなか取れないことも多かったです。「家庭でこんな学習をして欲しいな。」と思っていても、保護者の方もお忙しいのでなかなか伝えにくいものでした。
この記事では、元小学校教員の視点から、家庭学習で本当にやるべきことを3つに絞って、具体的なやり方とともに解説していきます。
小学生から家庭学習が必須の理由

①学習習慣そのものを身につける必要がある

まずは、毎日机に向かって学習する習慣を身につけることが大切です。
学校の宿題も基本的には毎日出ますよね?
学校で学習したことを家でも復習することで、学習の定着を図っているのです。
また、毎日の学習習慣をつけることで、計画的に課題に取り組む力も身についていきます。
学習習慣がつくと、中学校・高校の定期的な課題提出や、社会人になってから仕事に取り組む力につながっていきますので、今のうちに1日5分でも頑張れるようにサポートしていきましょう。
②「わからない」を放置すると、次の学年の学習が全く分からなくなる
学校で感じた「わからない」を家庭学習で補うことも非常に大切です。
特に算数は、「わからない」が積み重なっていくと気づいた時には大変なことになっています。
例えば、小学校の算数で最も挫折する単元の1つに小学4年生で学習する割り算の筆算があります。
みんなが苦しむ理由は、これまでの「わからない」の放置です。
割り算の筆算を解くには、以下の力が必要です。

これらの力が十分でないと、どこかで計算間違いをしたり解き方が分からなくなったりします。
しかも学校では、割り算の筆算を練習する時間は取れても、その前の学年の内容を復習する時間はほぼありません。そのため、分からないがどんどん膨らんでいき、みんなに追いつくことが困難になるのです。

他の教科でも
・漢字が読めなかったら教科書が自分で読めなくなる。
・グラフの見方がわからなかったら社会・理科の資料の読み取りができなくなる
・1日日記が書けなかったら作文は当然書けない。
など、困ったことがたくさん起こります。
家庭学習は、その子のペースで「わからない」をなるべく減らしていく絶好の場なのです。
③学校でできないことも学習できる
実は今の学校教育は、教えるべき項目がどんどん増えています。英語の教科化、プログラミング教育、情報活用などが増えた一方で全体の授業時間は変わっていません。しかも学校の先生も「私、英語話せないな。」「プログラミングって何?」と、戸惑う人も多いため内容が充実しているとは言えません。
しかし、家庭では、オンラインスクールに参加するなど、学校ではできない体験をすることができます。子供に得意なことが増えることは、大きな自信に繋がります。
家庭学習の方法 おすすめ3選
①教科書や市販のドリルを使う
一番手軽で、みなさんが初めに思いつく方法かと思います。
授業で一度解いた問題でも、時間が経つと解き方を忘れてしまうのが子どもです。教科書やノートを見返し、同じ問題をもう一度解かせてみると、「あれ、これどうやるんだっけ?」となる単元が必ず見つかります。これが本当に理解できていない部分です。
メリット

基本的に教科書や市販のドリルは、その学年で必要な学習を満遍なく取り組めるように作られています。そのため、これらの内容さえきちんとできるようになれば、学校での学習には十分ついていくことができます。
また、教科書やドリルには解き方や考え方が一緒に掲載されているため、家庭でも基本的なことは教えることができます。より難しい問題にチャレンジしたい場合は、応用問題を集めてドリルを購入するなど、難易度が選びやすいのもいいですね。
もし、ドリルを購入する場合は以下の点に注意して購入しましょう。
- 今の学年より少し易しめから始め、「できた」という成功体験を積ませる
- 1冊を最後までやり切ることを優先し、あれこれ手を広げない
- 子供と一緒にドリルを見に行き、最後は子供に選ばせる
デメリット

1番のデメリットは、子供のモチベーションを維持することが難しい点にあります。
教科書の問題のやり直しは基本的に子供は嫌がります。
ドリルをする際も、自分がこれからやらないといけない量がそのまま見えてしまうので、
「やりたくないな。」「こんなにたくさんできないよ。」と
気持ちが萎えてしまう子も少なくありません。
学校の教科書や市販のドリルで学習する際は、家庭での声の掛け方や1日の目標設定などをしっかりとして、子供のモチベーションを維持できることが絶対条件になります。
更に、計算問題や漢字など、繰り返し学習が必要な場合、ドリルを1回取り組めば終わりではありません。計算なら速く正確に解けるまで、漢字は覚えるまで続ける必要がありますよね。
そのため、教科書やドリルを使う場合は、それらをコピーして使う、問題を自分で変えて取り組ませるなど、工夫が必要になります。

②ダウンロードプリントを使う
ドリルを買うほどではないけれど、もう少し問題演習をさせたい」というときに便利なのが、インターネットでダウンロードできるプリント教材です。学習プリントが掲載されたサイトやブログから、PDFなどをダウンロードして印刷して取り組ませる方法です。
メリット

まず、ドリルと異なる点は、取り組ませたい内容をピンポイントで選べる点です。また、問題数が豊富なものが多く、例えば計算問題、漢字の書取りなど、繰り返し学習をするのに非常に向いています。
子供から見ても今日頑張る量だけが見えるので、「これくらいならできそうだな。」とドリルよりやる気になる子が多いです。取り組んだプリントはファイル保管することでどんどんファイルが分厚くなり、自信にも繋がります。
おすすめは、あらかじめ取り組ませたいプリントを一括印刷しておくことです。毎日印刷するのは手間ですし、子供に「上から1枚ずつ取っていってね。」と伝えておけば1人でも取り組めます。解き終わったプリントには、ハンコやシール、コメントを残してあげるとモチベーションアップに繋がります。
デメリット

まず、ダウンロードプリントは自分で印刷して取り組ませる必要があるので、市販のドリルと比べ、手間がかかります。
1番のデメリットは、プリントに解説がついていないものが多いので、分からないところを保護者が教える必要があります。その時に子供がどの段階でつまずいたかを解答や様子から見取らなければいけません。
また、ダウロードプリントの内容は計算や漢字がほとんどで、自分がほしい内容のプリントが見つからない場合があります。

③オンライン教育を利用する
共働き家庭が増え、保護者が毎日つきっきりで学習するのが難しいご家庭も多いと思います。そんなときに心強い選択肢が、オンライン教育です。国語、算数などの教科学習だけでなく、プログラミング教育、英会話など様々な学習内容が提供されています。
メリット

家庭学習が続かない最大の理由は「子供のモチベーション維持や学習進度の管理を、保護者が背負いきれなくなること」です。通信教育は、この負担を大きく減らしてくれる点が最大のメリットです。
自分の家でできるため、大きな負担となりがちな送り迎えも必要ありません。
また、サービスによってはAIが自動で子どもの苦手分野を分析し、その子に合った問題を出してくれるものもあり、市販のドリルやプリントだけではカバーしきれない、個別最適な学習ができるのも強みです。
デメリット

オンライン教育の最大のデメリットは、他の2つの方法と比べて費用がかかることです。映像授業や、学習アプリのみだと月額2000円〜5000円、パソコンを使った対面式の授業やAIを活用したアプリでは、月額10000〜20000円のものが多いです。オンライン学習を検討する場合は、子供の学習状況だけでなく、費用をどこまで出せるかもポイントになってきます。
また、教材やサービスも多種多様ですので、子供に合ったものを選び取るには、それなりにリサーチをする必要があります。このブログでは、それぞれのオンライン教育サービスについての紹介もしていきますので、そちらも参考にして下さい。
更に、対面での学習サービスを受けさせたい場合は、担当者と子供のスケジュールの調整が必要になってきます。この点は家庭で学習できるオンライン教育は調整はしやすいでしょう。

選ぶときのチェックポイント
オンライン教育はサービス形態が大きく2つに分けられます。
- 映像授業や学習アプリを提供する非対面型のサービス
- パソコンを使っ対面授業や学習サポートを受けられるサービス
非対面型のサービスは費用を抑えることができますが、対面式のものと比べて子供の現状に合わせた細かなサポートは弱いです。対面型のサービスは、費用はかかりますが、子供の様子を直接観察しながら指導ができるので学習効果もより大きくなります。
| 非対面型サービス | 対面型サービス | |
|---|---|---|
| 概要 | 映像授業や学習アプリで学ぶ | 対面での授業や学習サポート |
| 費用 | 抑えやすい | 比較的高め |
| サポートの手厚さ | 子どもの現状に合わせた細かなサポートはやや弱い | 子どもの様子を直接観察しながら指導できる |
| 学習効果 | 教材の質に左右されやすい | より大きくなりやすい |
| 向いている家庭 | コストを抑えたい家庭、自分のペースで進めたい家庭 | 手厚いサポートを重視する家庭、費用をかけられる家庭 |
まとめ
最後に、3つの方法を簡単に比較します。
| 方法 | 手軽さ | 費用 | 保護者の負担 | こんな家庭におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| ①教科書の解き直し・ドリル | ◎ | 低〜中 | 高 | 基礎を子供と一緒に学習できる家庭 |
| ②ダウンロードプリント | ○ | 低 | 中 | ピンポイントで演習したい家庭 |
| ③オンライン教育 | ○ | 高 | 低 | 忙しくて丸つけまで手が回らない家庭 |
私からは、ある程度学習を見る時間がある家庭にはプリント学習を、費用がかかってもいいので学習を見る負担を減らしたい家庭にはオンライン教育をおすすめします。
市販のドリルは、問題数がどの単元も同じ量になっているものが多いです。何回もやりたい学習は量が足りない、逆にできる内容でも何ページかはやらないといけないなど、効率が悪くなりがちです。また、モチベーションの維持が最も難しくなかなか続かないことが多いです。
家庭学習は「続けられる仕組み」を作ることが何より大切です。まずはお子さんの性格や、ご家庭の忙しさに合わせて、無理なく続けられる方法から始めてみてください。


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